まずは「良い姿勢」と「呼吸」から

健康維持のためには適切な食生活に適度な運動が重要だ。

ただ、私は運動がそれほど好きではない。
スポーツするのは嫌いではないが、自発的に行うことはほとんどない。
定期的に続けることも苦手だ。
完全にインドア派でもある。

そんな私でも患者さんには運動療法を積極的に指導している。

運動が元々好きな方、健康のために適度に頑張れる方もいれば、
「運動が大切なことはわかるが、なかなか続けられない方」もいる。

私の場合、疾患の種類を問わず運動療法を行う場合、まず2つのことを徹底的にお願いする。

それは、「時々、良い姿勢を取ること」「時々、呼吸を一生懸命してもらうこと」である。

「時々、良い姿勢を取る」というのは、仕事や日常生活の中で取っている自分の姿勢を意識してほしいということだ。

「良い姿勢」と一言でいっても考え方によって定義は異なる。
ここで言う良い姿勢とは、「力学的な安定」を意識した姿勢のことである。
支持基底面のできるだけ中心に重心線を落とそうと意識してもらう。

患者さんには、椅子座位や立位で「できるだけ良い姿勢を取ってください」とだけ声をかけ、必要に応じて修正させていただく。

「力学的に安定した良い姿勢」を維持するためには、特に抗重力筋と呼ばれる筋群をいつもより働かせなければならない。
普段の姿勢を意識していない人は、「力学的に安定した良い姿勢」を取ってもらうと1分もしないうちに「背中がしんどい」、「腰がだるい」などと訴える。

「力学的に安定した姿勢」を常に維持するのは難しいので、はじめは1時間に1回、1分程度でも良いので「力学的に安定した姿勢」を維持する習慣をつけると良いと思う。

日常の中で時々でも「自分の姿勢」について意識できるようになれれば、良い姿勢を意識する時間と維持する時間を増やしていけばよい。

最終的には「力学的に安定した姿勢」から10%ほど力を抜いた姿勢を常に取れるようになれば理想なのだが、これもなかなか難しい。

「時々、呼吸を一生懸命する」というのは、呼吸に関わる筋肉を働かすことで体幹深層の筋肉を強化したいという意図がある。
体幹深層の筋とは、よく「インナーマッスル」という言葉を聞くと思うが、内臓や脊柱を支える筋肉とイメージしてもらえればよいと思う。

呼吸は無意識に行っている運動である。呼吸は、横隔膜や肋間筋などの筋肉が働いて行われる。
この呼吸を意識して頑張って行うと更に首回りやお腹周りの筋肉、お腹のインナーマッスル(腹横筋など)が強く働く。頑張ってもらうのは基本的に呼気(吐く息)だけで良いと思う。

私の場合は、車に乗る機会が多いので、赤信号の度に5秒間ほどかけて口をややすぼめて強くゆっくり息を吐く。5回ほど繰り返し行う。行う度にお腹の底に力が入っているのがよくわかる。

最近、俳優の美木良介さんが「ロングブレスダイエット」という本を出版してテレビに出ていたが、イメージはあんな感じ。あそこまで激しくしなくてもいいと思うが、健康な方は頑張ってみてもよいかもしれない。

これも最初は1時間に1回ぐらいでいい。お腹を意識して強くゆっくり息を吐くことを5回くらい繰り返す。まずこれを習慣にできるようにする。

「時々、良い姿勢を取ること」も「時々、呼吸を一生懸命してもらうこと」も体幹の筋肉を強化することが主たる目標だ。
特に姿勢に気をつけるようになると、筋・筋膜性の腰痛や痛みは改善できるかもしれない。

私は、スポーツを自発的にすることもないし、身体中の筋肉が硬く、関節の可動範囲も狭いがどこも痛くない。

「医師や理学療法士から運動をするように言われるができない・・・」

「ダイエットしたいけど運動が続けられない・・・」

「自分の首の痛み、肩こり、背中の痛み、腰痛は慢性のもので治らない・・・」

まずは、「良い姿勢」と「呼吸」を意識することから始めてみてはいかがだろうか。

健康に良いとされるスポーツやエクササイズは数多くあるが、その中の多くはスポーツやエクササイズを開始するために必要な「スタートポジション(開始姿勢、準備姿勢)」や「呼吸」を指導される。

患者さんに対してお会いする度に「姿勢」と「呼吸」についてうるさく言うが、多くの患者さんやご家族は2、3カ月後には「最近、痛みが少なくなった」、「友達に姿勢が良くなったと褒められた」、「やせた」などと言ってくださる。

背伸びをせず、毎日無理なく続けられることから始めるべきだと思う。
スポーツやエクササイズを始めるのは「良い姿勢」と「呼吸」が習慣化してからでも遅くない。

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「運動は食事と同じ」

治療家を対象にした講習会に参加すると色々な出会いがあり面白い。

治療家といっても、

医師、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、マッサージ師、柔道整復師、整体師、 カイロプラクター、スポーツトレーナーなど保持する資格によって役割が違うし、経験や興味のある分野、考え方も人それぞれで異なる。

以前参加した講習会で隣になったのは、20代半ばの男性のスポーツトレーナー

講習会の中でディスカッションなどがあると、たいてい隣の人と話し、会話が弾むことが多い。

やはり、仕事の会話がほとんどなのだが、スポーツトレーナーをしているその彼が、真剣な表情で話しかけてきてくれた。

『先生は、利用者さんにどのようにセルフエクササイズ(自宅等での自主運動)を指導するのですか?指導するのですが、一生懸命し過ぎてオーバーワークになる方や全然運動してくれない方がいるんですよ~。』

私も過去に同じように感じたことがあった。確かに、指導通り適切な「自主運動」ができる方は少ない

話を聞くと彼は専門学校卒業後、今春からスポーツトレーナーになったばかりというので、何とかわかりやすく答えたいと思い、

「その利用者さんに必要な運動とその目的、運動の方法を自宅等でどのように行うのか説明し、利用者さんと一緒に実際に行って正確にできているかチェックします。

運動が正確に行えたら、1日に行う時間帯と回数を指導した後に、利用者さんに

運動は食事と同じ、生活に必要なものと思ってください。

ただし、

食事の量が多く食べ過ぎると、肥満になります。
食事の量が少ないと、痩せて動けなくなります。

それと同じように

運動の量が多過ぎると、オーバーワークとなり筋肉や関節が痛む可能性があります。
運動の量が少ないと、体力がつきません。

次回、来られるまでは私が言った運動量が適量だと信じて続けてみてください。

運動中に痛みが出たり、疑問がある時はすぐにご連絡ください。

と指導します。」

と答えると、トレーナーの彼が、

『ほぉ~運動は食事と同じ!わかりやすくていいですね!早速使ってみます!』

思った以上に感心してくれた。

ただ、その時言い忘れたのだが・・・、

「運動は食事と同じ」という言葉、これは元プロ野球選手の桑田真澄さんが、

テレビのインタビューの中で自身のトレーニング法を聞かれた時に答えた言葉なのだ。

私も「ほぉ、わかりやすいなぁ!」と思った1人。

感心してくれたのに肝心なことを言い忘れて申し訳ない!

最近、テレビで桑田さんを見るとスポーツトレーナーの彼を思い出す。
 

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ロコモティブシンドローム

「ロコモティブシンドローム」(以下、「ロコモ」と略す)とは、
運動器症候群とも呼ばれ、骨や筋肉、関節などの運動器が弱くなり、「立つ」、「歩く」といった日常生活に必要な動作が難しくなり、介護が必要な状態や、将来、要介護やその予備軍になる危険が高い状態をいう。

ロコモ予防は2007年から、日本整形外科学会が提唱した。
「要介護」や「要支援」になる原因の約4分の1が運動器の障害によるもので、骨折などが一度完治しても、意識して予防(運動)に取り組まないと「ロコモ」となる可能性が非常に高くなる。

ロコモの判定(ロコチェック)には、以下の7つの項目が目安になる。

①片脚立ちで靴下がはけない。

②家の中でつまずいたり、滑ったりする。

③階段を昇るのに手すりが必要。

④横断歩道を青信号で渡りきれない。

⑤15分程続けて歩けない。

⑥2kg程度(1リットルの牛乳2本)の買い物をして持ち帰るのが困難。

⑦掃除機の使用や布団の上げ下ろしなど、やや重い家事を行うのが困難。

以上の項目のうち、1つでも当てはまるとロコモの疑いがある。
そんな時は、整形外科医をはじめ医師に相談し、適切な指導を受けることも重要だ。
 
ロコモを予防したい人や運動器に衰えがある人には、「ロコトレ」を継続的に続けることが勧められる。
代表的なロコトレは以下の2つ。

一つは、「片脚立ち」
床につかない程度に片脚を上げる。
左右1分間ずつ、1日3回を目安に行う。
※ふらついて転倒しないよう、すぐに手がつける机やテーブルの横で行うこと。

もう一つは、「スクワット」
両足を肩幅より少し広めに開き、体重が足の裏の中心にかかるように意識して
お尻をゆっくりと下ろし、ゆっくりと上げる。
深呼吸をしながら5~6回、1日3回を目安に行う。
※転倒しないよう注意して、椅子の前で行う。机やテーブルに両手をついて行ってもよい。
※膝を90度以上深く曲げず、お尻を下ろし過ぎない。

いずれも「無理をせず、自分のペースで行う」ことが大切だ。

ロコトレを続けることで、足腰の筋肉を鍛え、膝などの関節にかかる負担を減らすことができる。
また、骨にも適度な負荷がかかるため、骨粗鬆症の予防にもつながる。

「年だからもう仕方ない・・・」とあきらめるのではなく、
ロコトレを健康増進、介護予防の一つとして取り入れてみてはどうだろうか。


「ロコモ」「ロコトレ」について興味がある方は、
日本整形外科学会のホームページで詳しく説明されています。

揉んでもらって歩きにくくなる!?

私が「出張リハビリ」の依頼をいただく際に、患者さんから時々、同じような訴えを聴くことがある。

「腰が痛くなるから、マッサージに通って揉んでもらったら、気持ちいいけどその後は歩きにくくなる…。」

このような訴えをする患者さんには、いくつかの共通点がある。

●脳出血や脳梗塞などの後遺症で歩行が不自由。
   ⇒杖や歩行器、手すりがないと歩けない。

●病院や診療所などでの専門的なリハビリから遠ざかっている。


●活動量(歩行量)が少ない。
   ⇒寝ている、座っている時間が長い。

●股関節周り、腹筋・背筋群の筋力が低下している。

腰の痛みは「重だるい痛み」。

●マッサージでは腰を中心に全身をほぐしてもらうが、運動の指導はない。

などである。

「マッサージで揉みほぐしてもらって、なぜ歩きにくくなるのか?」

それは、身体を支えている「腰の筋肉」を丁寧にほぐしてしまったからだ。

比較的、健康で歩くこともできる人が腰痛で腰を中心としたマッサージを受けた時は、
「あ~気持ちよかったぁ!来て良かった!」となることが多いと思う。

しかし、上記の様な理由で「歩行が不自由な方」が、重だるくなった腰を中心にマッサージだけを
してしまうと「身体に力が入りにくく、歩きにくくなる」ことがあるので転倒しないよう注意が必要だ。

歩行が自由にできる人は、特に意識することなく行えるが、「歩行」は非常に難易度が高く、複雑な全身運動だ。 骨盤と股関節周りの筋肉を中心に必要なタイミングで働き合うことで歩行を「安定」させることができる。

しかし、脳出血などの後遺症で片側あるいは両側の骨盤・股関節周りの筋肉が弱くなり、必要なタイミングで働きにくくなると骨盤や股関節周りが「不安定」な状態になる。この状態では、歩行が非常に不安定になるので、無意識的に腰回りの筋肉が不安定な状態を補おうと過剰に働き「安定」を得ようとすることが多い。

このような理由があって過剰に腰回りの筋肉が働き腰痛(重だるい痛み)を引き起こしている場合は、短期間で改善することが難しい。

なぜなら、腰回りの筋肉の負担を減らしながら、骨盤や股関節周りの「安定化」を図る必要があるからだ。

寝る時以外に「骨盤ベルト」を使用しながら、きちんと身体の動きを評価できる治療家(理学療法士など)の運動療法を受けることが一番の近道かもしれない。

「なかなか治らないなぁ…」と思いながら2、3カ月継続し、そう言えば「前より痛くなくなった!」「歩きやすくなった!」あるいは家族や近所の人から「歩くのが早くなったね!」と言われて主観的・客観的効果を感じることが少なくない。

患者さんは、「早く痛みを取りたい!」、「早く治したい!」と思って当然だ。
しかし、治療家は冷静に患者さんの状態を把握し、評価して「一番効果があるであろう治療法をわかりやすく説明、提案」する必要がある。

最近は、特に治療家による一方的な治療ではなく、「治療家による治療」+「患者さんができる運動療法の指導」の重要性を改めて感じる。

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プロフィール

つじもと鍼灸院

辻本 友樹(Tomoki Tsujimoto)
◇はり師、きゅう師
◇理学療法士
◇社会福祉士
◇1級電磁波測定士 等
神戸で出張治療に特化した
鍼灸院をしています。
よろしくお願いします!

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