痛みの原因を考える重要性 1)

私が出張リハビリさせていただいている患者さんが住むマンションで、度々顔を会わせる人がいた。

それはある運送会社の男性配達員さん。

年齢は40代半ばくらいだろうか。

ちょうど私がその患者さんのお宅に伺う時間と、その配達員さんがマンションに配達に来る時間帯が同じくらいなのだろう。

いつも挨拶をして、エレベーターに一緒に乗り込み別々の階で降りる。

特に話すこともなかった。

今から1ヶ月ほど前、首に頸椎カラー(手術後などに首が動かないように固定する装具)を巻き苦痛の表情で荷物を持つその配達員さんに出会った。

いつものように挨拶をして思わず、

「大丈夫ですか!?首、どうされたんですか?」
と聞いてしまった。

するとその男性は苦笑いしながら

『ヘルニアだと言われて先週手術したんです。
一年ぐらい前から痛みで右手に力が入りにくくなって、整形外科に行ったら手術した方がいいって言われたので・・・』

「手術して症状は良くなりました?」と聞くと、

『んん~まだわからないですね~。でも休むわけにはいかないので・・・。』

「お大事になさってください」

『ありがとうございます!』

という会話を交わして私が先に目的の階でエレベーターを降りた。

その後、その配達員さんとマンションで顔を合わすことがなくなった。

つい先日、そのマンションに住む患者さんとの会話の中で、

『うちに来てくれていた配達員さんが代わった。』
と教えてくれたので、

「あの首を手術した人ですか?」と尋ね返した。

当然、なんで知ってるの!?という話になったのだが、新しく来てくれることになった配達員さんが言うには、手術後、症状が悪化して仕事を休んでいるとのことだった。

このような事例は私のような仕事をしているとよく出会う。

このブログを読んでくださる方はどのように感じるだろうか。

私に配達員さんの状況を教えてくれた患者さんは、

『手術って怖いんやね~。』と言った。

症状を改善することを目的に手術をしたのに、仕事ができなくなっている・・・。

もちろん、「手術は怖い」と感じる人もいるだろう。

私は別の感想を持った。

「病状やその原因」

「治療法の選択肢」

「手術を行うにあたってのメリットとデメリット」

「手術後の生活における注意点」

などについて十分に説明を受けて「手術」することを配達員さんが選択したのだろうか・・・ということだ。

やはり、医師に「ヘルニアだから手術した方がいい」と言われると『そうですか。わかりました。』と何の疑問も持たず答えてしまう人も多いのかもしれない。

もし、そのような状況になったなら・・・

なぜ、そのような症状が出るようになったのか自分なりに原因をしっかり考え、治療法を冷静に選択する必要がある。

それは、痛みの発生のメカニズムといった医学的、解剖学的、生理学的に難しい原因ではなく、自分の生活における動作や姿勢の中に症状の発生につながる原因があるのではないかということだ。

ヘルニアの手術をした配達員さん・・・。

自分なりに「痛みの原因」を分析できていたなら・・・、

画像診断に重きを置くのではなく、しっかりと問診をしてくれる医師に出会っていたなら・・・、

私の様に「痛みの原因」を一緒に分析する治療家が関わっていたなら・・・、

もしかしたら手術は回避できていたかもしれないし、仕事も続けられていたかもしれない・・・とふと考えてしまう。

あの配達員さん、今はどうしているだろう。

効果的な治療を受け、セルフケアできているだろうか・・・。

あのマンションでエレベーターに乗るとふとその配達員さんを思い出す。

関連記事

テーマ : 心と身体のケアを大切に!
ジャンル : 心と身体

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

つじもと鍼灸院

辻本 友樹(Tomoki Tsujimoto)
◇はり師、きゅう師
◇理学療法士
◇社会福祉士
◇1級電磁波測定士 等
神戸で出張治療に特化した
鍼灸院をしています。
よろしくお願いします!

ホームページはこちらから!


つじもと鍼灸院

ARTs Health Support

最新記事
カテゴリ
つじもと ネットショップ
つじもと鍼灸院 ネットショップ

自分でできる!

☆安産の灸セット
☆耳ツボセット
お求めはこちらから
↓↓↓

つじもと鍼灸院

書籍の案内
メールフォーム
ご意見、ご感想などを入力し[確認]ボタンを押して下さい。

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
人気ブログランキング